Tuesday, August 15, 2017 10:04 AM

三井の連合、BHPと独占交渉入り〜チリ銅山の脱塩プラント建設で

 三井物産とスペインのグルポ・コブラ(Grupo Cobra)による企業連合が、チリのスペンス銅山の海水淡水化(脱塩)プラント建設事業に関して、英豪資源大手BHPビリトンと独占交渉していることが分かった。建設事業費は8億ドル。

 ロイター通信が関係者2人の話として伝えたところによると、BHPは25億ドル規模のスペンス銅山拡張計画を数年にわたって凍結していたが、三井・コブラ連合との独占交渉入りで再び計画を進め始めたことになる。

 脱塩プラント建設ではほかにも多数の企業が入札に参加したが、BHPは独占交渉の相手として三井の企業連合を選んだと、関係筋は語った。入札した企業にはカナダの資産運用会社ブルックフィールド・アセット・マネジメント、スペインのアクシオナの企業連合などがあるという。

 世界一の銅産出国であるチリに拠点を構える鉱山会社はここ数カ月、銅の供給不足と中国の堅調な需要を受けて投資の再開の検討を始めている。また、銅の選鉱では大量の水が必要なことから、チリでは脱塩施設の建設ブームも起きている。チリ北部のアタカマ砂漠は世界で最も重要な銅産出地帯だが、世界で最も乾燥した地域の1つで、一部には雨が降った記録がない場所もある。

 そうした場所にある銅山に地域社会と衝突することなく水を供給するため、太平洋の海水の淡水化に目を向ける鉱山会社が増えている。