Thursday, August 31, 2017 9:53 AM
ウーバー、利用者保護を強化〜降車後の客の追跡を停止
配車サービス大手ウーバー・テクノロジーズは、客のプライバシー保護強化策の1つとして、降車後も5分間乗客を追跡するアプリケーション設定をやめると発表した。
ロイター通信によると、同社は2016年11月にアプリ更新を行い、利用者の位置情報収集を「アプリの使用中のみ認める」という設定をなくして、許可するかしないかの選択しか提供していなかった。利用者が許可した場合、アプリを使っている間だけでなく車を降りた後もウーバーに最大5分間の追跡を認めることになり、ウーバーはこれを「顧客の身の安全確保に役立つ」と説明していた。情報収集を許可しない場合は、車の乗り降りの場所を手動で入力しなければならない。
このアプリ変更は一部のユーザーやプライバシー擁護団体から強い反発を招き、顧客の信頼に背く行為だと批判された。このためウーバーはアップルの「iPhone(アイフォーン)」ユーザーに関しては降車後は追跡しないことにし、アンドロイド系通信端末に関しても使用を停止していた。
今回の変更では、「アプリ使用中のみ位置情報を共有」の選択肢を復活させ、まずアイフォーン・ユーザー向けに、続いてアンドロイド系ユーザーにも適用する。
ウーバーは社内でセクハラなど不祥事が続き、2017年6月にトラビス・カラニック前CEOが辞任。急速に事業を拡大する一方で組織運営の在り方が課題となっている。ジョー・サリバン最高セキュリティ責任者によると、今回の位置情報追跡に関する変更は上席幹部の交代とは無関係で、氏は15年の入社以降、約500人のセキュリティ・チームとともに顧客のプライバシー強化に取り組んできたという。
氏は「ウーバーは、それと引き換えにどんな価値を提供するのかを明確に説明せず利用者により多くの情報を求めるという間違いを起こしていた」と説明。もし将来的に乗客の位置情報を降車後5分間追跡することが有益と判断すれば、きちんと説明した上で設定を選択できるようにするという。