Thursday, September 14, 2017 11:35 AM

アマゾン、メキシコで巨大倉庫建設へ

 オンライン小売り大手アマゾンが、メキシコシティ近郊に面積100万平方メートルの倉庫の開設準備を進めていることが分かった。電子商取引が普及し始めたばかりのメキシコで存在感を高めるのが狙い。

 ロイター通信が消息筋の話として伝えたところによると、倉庫はメキシコ首都の北約40キロにあるテポソトランという町に建設される予定。2018年に完成すると、メキシコにあるアマゾンの配送センターの規模は3倍に増える見通し。同国内の潜在顧客は約1億2000万人と推定される。

 現在、米国とメキシコ、カナダは北米自由貿易協定(FTA)の再交渉を始めたばかりで、もし米国がオンライン購入品を輸入する場合の免税額の上限(現在は50ドル)引き上げをメキシコに認めさせた場合、シアトルに本拠を置くアマゾンには有利になる。

 アマゾンはメキシコでは新参業者で、 13年に電子書籍サイト「キンドル」を開設した後、物品のオンライン販売は15年に始めたばかり。それでも同業のウォルマート・ストアズなどよりは急成長しており、すでにメキシコ第3位のオンライン小売業者になっている。市場調査のユーロモニターによると、アマゾンの16年のメキシコ売上高はで2億3300万ドルだった。

 ただし、アマゾンが本国と同じ成功をメキシコで収められるとは限らない。オンライン小売売上高は、米国では全小売りの10%を超えているがメキシコでは3%未満で、メキシコの消費者の中には、オンライン詐欺を警戒している人もあればクレジットカードを持っていない人が多い。