Wednesday, December 06, 2017 10:21 AM
シンフォニー、協業ツール市場で大手の脅威に
金融サービス会社向け協業プラットフォーム開発のシンフォニー(Sympohny)は、法人向けデジタル・ツールで業績を伸ばしている。時価総額は10億ドルを超え、金融情報配信大手ブルームバーグの脅威になりそうな勢いだ。
コンピュータワールド誌によると、シンフォニーのプラットフォームは、チャット機能に加えて画面共用、音声・動画通信を提供するだけでなく、ボックス(BOX)やアトラシアン(Atlassian)、JIRA、トレロ(Trello)、セールスフォース、ギットハブ(GitHub)といったさまざまの第三者サービスと同期するのが特徴だ。
シンフォニーのデイビッド・ガールCEOは、同社の強みとしてオープン・プラットフォームを挙げる。同社はそれによってダウ・ジョーンズ、トムソン・ロイターといった金融情報サービス大手とも提携している。
ブルームバーグは、今や業界標準となったデータ・ターミナル端末と金融情報配信サービス、チャット機能を金融トレーダーに長年提供している。シンフォニーは2014年の設立以来、類似機能を低価格で提供しているため「ブルームバーグ・キラー」の異名を持つ。一連の機能追加によってシンフォニーの存在感は高まっており、17年10月にも暗号化技術で保護された非常に安全な法人向けチャット機能を追加した。
ただ、安全なチャット機能はマイクロソフトやスラック(Slack)といった先行大手がすでに提供しているため、シンフォニーは厳しい市場競争に加わることになる。この点、ガールCEOは、末端間暗号化技術によって情報流出の可能性を排除できることが他社より優れていると強調する。
一方でシンフォニーは、金融以外の市場開拓に力を入れる方針を打ち出している。同社のツールはセキュリティーの強さが特徴であるため、規制の対象となる業界の企業が標的になる。
シンフォニーの顧客には、JPモルガン・チェイスやシティグループ、ゴールドマン・サックス、野村証券があり、サービス利用者数は23万5000人に達している。