Tuesday, June 21, 2016 11:16 AM

東芝、地熱事業を拡張〜タービン製造以外にも

 地熱発電用タービンの世界最大手である東芝は、地熱発電事業でのシェア拡大を目指して施設の運転管理や維持管理(O&M)サービスにも進出する。

 ブルームバーグ通信によると、地熱発電用タービン市場では現在、日本の3メーカーが優勢で、首位の東芝は出力3000メガワット(MW)以上のプロジェクトに機材を供給して23.4%のシェアを握る。2位は富士電機(21.2%)、3位は三菱重工と日立の合弁事業である三菱日立パワーシステムズ(20.7%)。

 東芝海外火力営業第3部の東沢勉(ひがしざわ・つとむ)部長は「今やっているのはタービンだけだが、バリュー・チェーンの全行程で事業チャンスを最大限に活用したい」「目標は100%のシェア獲得だが、現実的には半分以上を目指している」と話す。

 東芝は、1996年に岩手県で稼働を始めた日本初の地熱発電所にタービンを供給したほか、米国、メキシコ、フィリピン、インドネシアなどの電力事業に機材を販売しており、5月にはトルコのプロジェクトから契約を取り付けた。また、10月にはネバダ州拠点の米業界大手オーマット・テクノロジーズ(Ormat Technologies)と戦略的協業契約を結び、今後はこの提携を通してトルコやアフリカ諸国からの受注を増やしていく構え。

 オーマットのバイナリー式タービン・システムは、東芝のフラッシュ方式を補完する技術で、提携によって両システムを提供する富士や三菱日立との競争力を強化できる上、資金調達から掘削、運営に至る地熱発電事業のさまざまな工程でオーマットの助力を受けられる。