Thursday, August 11, 2016 11:21 AM
マースク、中国10港から撤退〜コスト削減のため
コンテナ海運世界最大手マースク・ライン(Maersk Line、デンマーク)は、コスト削減を理由に中国の10港でのサービスを停止する。
ロイター通信によると、対象の港はチーチョウ(池州)、ルーチョウ(瀘州)、インコウ(営口)、チンチョウ(錦州)、リーザオ(日照)、ナンシャ(南沙)などで、 現在これらの港では主要港まで商品を運ぶ小型のフィーダー船を運航している。大型港に着いた貨物はコンテナ2万個を積載できる超大型船などに移され、欧米などに輸出されている。
マースクは「10港のサービス停止は戦略変更ではない」と説明しており、今後は成長の見込みや顧客にとって成長機会の多い港のビジネスに力を入れる予定。海運業界では世界的な経済成長の鈍化と新造の大型船が大量に投入されたことを受け、2016年上半期に貨物料金が歴史的な低水準となっている。
マースクは他のコンテナ会社と同様に大きな打撃を受けており、第2四半期には6700万ドルの損失が予想されている。先月はドイツの同業ハパグ・ロイド(Hapag-Lloyd)も、貨物料金が予想を大きく下回っていることを理由に、通年の利益予想を下方修正した。
マースクの親会社である複合企業のAPモラー・マースクでは、海運事業の不調や原油価格低迷の影響で6月にニルス・アンデルセン最高経営責任者(CEO)が解雇され、マースク・ラインのソレン・スコウCEOが後任に就いている。中国は1970年代以降「世界の工場」といわれ、マースクは現在41カ所に進出しているが、近年は中国の成長が減速している。