Tuesday, April 17, 2018 10:33 AM
セクハラは「他社の問題」〜企業の過半数で議論なし
性的嫌がらせ(セクシャル・ハラスメント)や性的暴行の被害者が声を上げる「#MeToo(私も)」運動が広がる中、米企業の大半はこれを自社の問題とは考えておらず、まだ取締役会レベルで話し合っていないことが最新調査で分かった。
ブルームバーグ通信によると、女性の人材情報企業ザボードリスト(TheBoardlist)とオンライン調査のクアルトリクス(Qualtrics)が2018年2月と3月、企業の取締役180人を対象に実施した調査では、57%の企業がまだ取締役会で#MeToo運動について議論していなかった。
#MeToo運動は、有名女優が映画プロデューサーなどから嫌がらせや性的暴行を受けたと公表したことから大規模に広がり、メディア、金融、広告などの業界で複数の幹部が解雇される事態に発展している。前回調査はこうした動きが起きる前の17年10月に行われ、取締役会でこの問題を話し合っていない企業は77%だった。
今回調査によると、セクハラ問題に関して何らかの行動を起こすことに合意した取締役会はわずか22%で、約75%は何の行動も起こしていない。調査に回答した取締役の64%は自分のキャリアで個人的な嫌がらせを体験したことがあると答えたが、役員会で話し合われない理由は「会社とは関連性がないと考えられている」「優先順位が低い」が多かった。ただし、何人かの最高経営責任者(CEO)は補足回答として、この話題を「脅威と感じている」と答えた。
ザボードリストのコミュニティ・ディレクター、ジェスカ・キテンブリンク氏は、動きの鈍い取締役会について「これが一過性の話題なのか、それとも問題の優先化、性の平等化を目指す強力な流れの一部なのか、判断しかねているのかもしれない。激しい渦の中では判断が難しい」と指摘した。