Thursday, April 19, 2018 9:57 AM

倉庫不足に緩和の兆し〜需給バランスほぼ均衡に

 eコマースの隆盛で倉庫需要が急騰し、供給が追い付かない状態が続いていたが、ようやく均衡に近づいていることが不動産仲介CBREの最新データで分かった。

 ウォールストリート・ジャーナルによると、2018年1〜3月期の産業用不動産空室率は7.3%で、前年同期からの低下幅が0.1ポイント未満にとどまった。供給不足に歯止めがかかり、市場のバランスが取れ始めたことを示している。12年末から16年末までは、四半期平均で0.2ポイント超の低下が続いていた。

 倉庫開発業者は新施設の建設ペースを高めており、18年1〜3月期は3500万平方フィートが新しく完成。純需要は4100万平方フィートで、その差は600万平方フィートに縮まった。CBREは「市場は均衡に近づいている。基本的には供給が追いつき、需要が大きく上回る状況ではない」と指摘した。

 近年はオンライン購入の爆発的普及と景気の回復が重なって、国内小売店はオンライン注文をこなすための倉庫スペース探しに苦労していた。17年に完成した新しい倉庫スペースは2億1600万平方フィートを超え、前年から12%も増加。それでも純需要は供給を2000万平方フィート近く上回ったが、差は前年の1億3000万平方フィートから大幅に縮小した。とはいえ市場は依然としてタイトで、消費が活発なことや税制改革による経済刺激効果を考慮すると、19年までは空きスペースが少なく賃貸料は高水準が続きそうだという。