Tuesday, May 22, 2018 11:27 AM
テスラ「モデル3」推奨せず〜CR、制動距離などに問題と
影響力を持つ消費者団体情報誌コンシューマー・リポーツ(CR)は21日、電気自動車(EV)大手テスラの新型セダン「モデル3」について、フルサイズのピックアップトラックよりもブレーキの利きが鈍いといった理由から購入を推奨しない方針を明らかにした。
ロイター通信によると、テスラのイーロン・マスクCEOは先週末のツイッター投稿で、モデル3のフル装備(電動モーター2台、航続距離310マイル。ただし半自動運転機能「オートパイロット」は除く)モデルの価格を7万8000ドルに設定したと表明。株価は21日の取引で一時4%上昇し、引け値は2.8%高となった。しかし、CR誌の「辛口評価」が高揚感に水を差す形となった。
テスラは生産の遅延や同社製EVによる事故などの問題に直面しており、財務についても懸念が強まっている。このため、同社初の量産モデルである「モデル3」の売れ行きが今後の業績を左右すると見られている。
CRはこの日、モデル3を推奨しない理由として、制動距離(ブレーキの利き始めから完全停止までの距離)が極端に長く、中央タッチスクリーンが使いにくいことを挙げた。良い部分はたくさんあり、運転が快感だったと認めながらも「大きな欠点」があると指摘した。
CRの実験では、時速60マイルで走行中にブレーキをかけた場合、モデル3は制動距離が152フィートで、同誌がテストしたどの現行モデルより「大幅に悪い」結果だった。フォードのフルサイズ・ピックアップ「F150」と比べても、約7フィート長かったという。
一方、テスラが独自に行なったテストでは、ミシュランの18インチ全シーズンタイヤを使用した場合は制動距離が平均133フィート、現在入手可能なタイヤ全てを使った場合の平均はさらに短い126フィートだったという。