Tuesday, September 25, 2018 10:08 AM
欧州バッテリー連合、20年にLi-ion電池生産開始へ
仏トタルの産業用電池部門サフト、独シーメンス、ベルギーのソルベイ、独マンツなどが加盟する欧州のバッテリー・アライアンス(企業連合)が、2020年からEV向けのリチウムイオン電池の生産を開始する計画であることが分かった。
ロイター通信によると、サフトのジャン・バプティスト・ペルノー氏は「現在使われている電池の性能よりも、われわれははるかに優秀な水準を目指しており、エネルギー密度は50%向上させる。アライアンスは20年上半期に、3世代目の液体電解質リチウムイオン電池の大量生産の開始を予定している」と語った。
アライアンスはまた、22年までに3B液体電解質リチウムイオン電池、24年までに固体電池の生産開始を計画している。
18年初めに立ち上げられた欧州バッテリー・アライアンスは、特に先進型・高密度のリチウムイオンと固体電池のテクノロジーに焦点を当てた新世代バッテリーの開発に取り組んでおり、電力量換算で1ギガワット時(GWh)の生産能力を目指している。ロイターによると、サフトは研究開発に約2億3200万ドル〜3億4700万ドルを投資する計画。
アライアンスが結成された背景には、BYDやコンテンポラリー・アンペレックス・テクノロジー(CATL)といった中国の電池大手や、SDI、LG化学、SKイノベーションといった韓国メーカーが市場を支配している現状がある。アジア勢の多くは、欧州での利益獲得を目的にすでに現地生産態勢を整えている。
ペルノー氏によると、欧州のバッテリー市場は25年までに150〜200GWhまで成長すると見込まれており、30年までにはさらに倍増が予想される。同氏は「メーカーとしてEV市場で競争力を持つには、少なくとも10GWhの工場を開設する必要がある」と語った。