Wednesday, November 07, 2018 9:47 AM
最高裁、前政権の「ネット中立性」規制を容認
連邦最高裁は5日、オバマ政権時代に導入されたインターネットの自由と中立性(ネット・ニュートラリティー)を重んじる規制について、規制を支持した控訴裁判所の2016年の判決を容認し、規制の撤回を求めたトランプ政権と通信業界による上告を棄却した。ロイター通信が伝えた。
15年にオバマ前大統領が導入したネット中立規制は、コンテントへの公平なアクセスを確実にし、ネット接続業者(プロバイダー)がサービスの通信速度を遅くする、あるいは通信を遮断することを禁止する内容。プロバイダーが有料顧客を優先することも禁じている。トランプ政権とプロバイダーは、規制を支持した16年の控訴裁判決を撤回しようと上訴していた。
共和党が支配する連邦通信委員会(FCC)は17年12月、ネット中立規制を覆す決定をし、18年6月にFCCの新規制が発効した。プロバイダーはユーザーが得ようとするコンテントを規制する権限が拡大し、ケーブルテレビ大手コムキャストや通信大手AT&T、同ベライゾン・コミュニケーションズなどにとっては有利な流れだった。
一方、交流サイト大手フェイスブックや電子商取引大手アマゾン、アルファベット子会社のグーグルはFCCの規制によってコストが上がると主張して反対しており、最高裁の決定で流れを引き寄せた形になった。
ただ、最高裁の上告棄却によって17年のFCC決定が撤廃されたわけではなく、ネット中立規制を巡る論争は続きそうだ。