Monday, February 25, 2019 8:58 AM
靴の事故でナイキ株価下がる〜選手負傷、企業の印象落とす
大学バスケットボールの試合中、スター選手が履いていたナイキ製の靴が破れて足を負傷した一件は、安全性と品質に対する消費者の印象がいかに企業の評判に影響するかを裏付けた。
デューク大学のザイオン・ウィリアムソン選手は20日、ノースカロライナ大との試合開始直後、攻撃中に相手の守備ををよけるため方向転換したところ、左の靴底が破れて滑り、右膝を痛めて退場した。この場面はテレビのプライムタイム放映で全米に流れた。
ウォールストリート・ジャーナルによると、企業評判保険を扱うスティール・シティ再保険会社のニア・コゾフスキCEOは「投資家らは、靴の欠陥は予想していないだけに驚き、落胆しただろう」と話した。ナイキは商品の質を伝える手段として有名スポーツ選手を使い、「商品が選手にとって十分な品質なら平均的な消費者にとっても十分」というメッセージを発信している。しかし、将来を期待されるウィリアムソン選手の靴が破れたことでこの前提が崩れた。
こうした場合、直後の対応が企業の評判への影響を左右する。一般的な対応としては、問題を認め、それが例外であり、企業統治や理念の設定に不備はないことを確実にする管理能力があると消費者を納得させるといった行動が考えられる。
ナイキも翌日に声明を発表し、「ザイオンを心配しており、迅速な回復を望んでいる。当社では製品の品質と性能が最重要で、今回は特殊な事例ではあるが問題の特定を進めている」と説明した。
影響が長引くかどうかは消費者と投資家によって決まり、株価、クレジットデフォルトスワップ価格、債券価格の動きなどが影響を判断する指標となる。ナイキの株価は21日に1%低下した。
コゾフスキ氏によると、最もリスクに敏感なのは債券関係者で「彼らのリスク評価は最も正確。債券はキャッシュフロー低下の規模が予想できる尺度の1つ」だという。