Wednesday, September 07, 2016 10:36 AM

抗菌石けんへの使用禁止〜FDA、トリクロサンなど19種

 連邦食品医薬品局(FDA)は、抗菌石けんに使われる化学物質のうちトリクロサンやトリクロカルバンなど19種類について、普通の石けんや水で洗った場合より殺菌効果が高いという科学的な裏付けがないとして使用を禁止した。

 AP通信によると、これらの化学物質はホルモン分泌に影響し、薬品への抵抗力を持った細菌を増やす恐れがあることも動物実験で示されている。ただ、長年調査の対象となっており、業界関係者によるとほとんどのメーカーはすでに石けんや洗浄剤の成分から外しているという。

 FDAは約3年前、関連商品の安全性と効果を示すデータの提出をメーカーに求め、先週になって「提供されたデータは安全性と効果が連邦基準を満たしていなかった」と発表。FDA医薬品センターのジャネット・ウッドコック所長は「消費者は、抗菌石けんは普通の石けんより殺菌効果が高いと思っているかもしれないが、長期的にみるとむしろ有害な可能性があることを示すデータもある」という。

 連邦議会は40年以上前に、トリクロサンを含む抗菌成分の評価をFDAに要請していた。最終的にFDAが調査結果を発表したのは、トリクロサンの安全性に関するFDAの判断の遅れを批判する天然資源保護協議会(NRDC)との3年間にわたる係争の後だった。

 NRDCによると、疾病管理センター(CDC)の研究で米国人の4分の3の尿にトリクロサンが含まれていることが示されており、現在FDAは消費者や医療専門家が使っている石けんや洗浄液に関する評価の大規模な見直しを進めている。