Thursday, June 06, 2019 9:47 AM
三菱日立パワーと米社、ユタで大規模蓄電事業に着手
三菱日立パワーシステムズ(MHPS)は、ユタ州の岩塩坑運営企業マグナム・ディベロップメントと提携し、同州中央部で先進的クリーンエネルギー貯蔵(ACES)プロジェクトを開始する。
グリーンカー・コングレスによると、ACESは再生可能エネルギー由来の電力貯蔵事業としては世界最大級となる1000メガワット(MW)の蓄電施設の開発を目指す。また、将来的に西部一帯の電力網の脱炭素化につながる事業としても期待される。
カーネギーメロン大学の調査によると、米国の発電施設が排出する二酸化炭素(CO2)は2005年以降、30%減少している。石炭火力発電から天然ガス火力や再生可能エネルギーによる発電への移行が進んだためで、MHPSはこの移行で大きな役割を果たしてきた。18年には、同社は大型ガスタービンの世界市場で最大手になった。
脱炭素化の次のステップとして、MHPSは再生可能水素と天然ガスを使ったガスタービンによる発電技術を開発した。最終的には燃料を100%再生可能水素にしたいと考えており、ガスタービン発電のCO2排出量ゼロを目指す。
マグナム・ディベロップメントは、西部で唯一の「ガルフコースト(メキシコ湾岸)」型構造の岩塩坑を所有、運営している。5つの岩塩坑はすでに液体燃料の貯蔵施設として使われているが、マグナムは圧縮空気エネルギーや再生可能水素の貯蔵施設の開発にも取り組んでいる。
ACESプロジェクトはまず、1年を通じて15万世帯に必要な電力を供給できる蓄電施設を開発する計画だ。