Friday, June 24, 2016 10:04 AM

結核治療薬を共同開発へ〜武田薬品とTBアライアンス

 武田薬品工業(大阪府)と非営利団体のTBアライアンス(The Global Alliance for TB Drug Development、ニューヨーク州)はこのほど、結核の革新的な治療薬を開発するための共同研究「リード化合物探索(Hit-to-Lead)プログラム」に取り組む契約を結んだ。

 武田ウェブサイトによると、両者は2013年6月、武田が所有する2万種類の化合物の中から結核の新規治療薬開発につながる特性を持つ候補化合物を特定する「ハイスループットスクリーニング(High-throughput Screening)プログラム」を開始した。今回の共同研究は、スクリーニングプログラムで選ばれたヒット化合物を基に進める。いずれのプログラムも、感染症治療に必要な医薬品やワクチン、診断薬の研究開発促進を目的とする公益社団法人グローバルヘルス技術振興基金(GHIT Fund)の助成を受けている。

 TBアライアンスは結核(TB)の治療法を研究する団体。GHIT Fundのほか豪州外務貿易省、ビル&メリンダ・ゲイツ財団、欧州委員会など各国の団体・政府から支援を受けている。

 結核は世界で最も死亡数の多い感染症の1つで、世界保健機関(WHO)によると2014年には960万人が新たに感染し、150万人が命を落としている。死亡の95%は低中所得国で発生している。