Tuesday, August 20, 2019 10:28 AM

繊維が基材の太陽電池を開発〜独研究機関フラウンホーファー

 ドイツの応用研究機関フラウンホーファー(Fraunhofer)が、繊維生地を基材とする新しい太陽電池を開発した。

 リニューワブル・エネルギー・ワールド誌によると、フラウンホーファーの研究班は、生地に施す塗料に太陽電池を組み込む新しい工程の開発に成功した。

 フラウンホーファーの薄膜技術グループ責任者ヨナス・スンドクヴィスト博士は「簡単に聞こえるかもしれないが、繊維業界の機械は巨大な生地を生産するために設計されている。幅5〜6メートル、長さは最大1000メートルという規模だ」と話した。

 しかも、塗料を施す段階では生地に200℃前後の高温への耐性が求められる。システム統合グループ責任者のラルス・レーベンクラウ博士は「防火に関する規制要件を満たす必要もあり、かつ張力に優れ、安く生産できなければならない」と説明した。

 それらの要件を満たすために、最終的に選ばれたのがグラスファイバー繊維だった。同技術が実用化されれば、例えばトラックの荷台を覆うシートや建物の窓のブラインドを使って発電できるようになる可能性がある。