Tuesday, April 21, 2020 9:15 AM
ルネサス、コロナ対応を支援〜人工呼吸器の参照設計を作成
新型コロナウイルス感染症への対応に必要な医療機器の迅速な製造が急務となる中、ルネサスエレクトロニクスは、医療用人工呼吸器を短期間で設計できるよう、オープンソースの設計仕様に基づいた人工呼吸器向けレファレンスデザイン(参照設計)を作成した。
ルネサスは、ソースコードが公開されたいくつかの人工呼吸器システムを基に、人工呼吸器用のレファレンスデザインを設計した。患者の状態を監視しながら1回に注入するガスの量や配分をコントロールできるという。
持ち運びができるためガスタンクの有無にかかわらず使用でき、人工呼吸器の摂取経路に加湿器を接続して患者の呼吸を和らげ、長時間接続することでより効率的に快方に向かわせることができる。ルネサスの半導体が約20個使われ、デジタル信号のやりとりを制御するマイコンや、電源IC、アナログICなどで構成されている。センサー基盤とモーター制御基盤を実装し、ブルートゥース接続が可能なため、タブレット型コンピューターや携帯機器を使って複数の患者を同時に監視できる。
最近は複数の自動車メーカーや部品会社が、人工呼吸器、マスク、フェイスシールドといった必要不可欠な医療用品の製造に取り組んでいる。自動車部品のZFノースアメリカは米国の繊維製品メーカー、デトロイト・ソーン(Detroit Sewn)と提携してフェイスマスクを、鉄鋼大手アルセロール・ミタルは3D印刷技術を使ってスペインで人工呼吸器とフェイスシールドを作っているほか、カナダの自動車部品メーカーABCテクノロジーズは北米で医療サプライを生産する新部門を設立している。