Thursday, April 23, 2020 9:47 AM

アイサイトのDMS、マスクしたドライバーも監視可能

 イスラエルの自動車向けコンピューター・ビジョン開発大手アイサイト・テクノロジーズ(EyeSight Technologies)は、ドライバーがマスクを着けていても運転中の注意力低下や居眠りなどを検出できるよう、ドライバー監視システム(DMS)のプラットフォームをアップグレードした。

 同社のプレスリリースによると、多くの国が新型コロナウイルスの感染防止策として国民にマスクの着用を奨励していることに対応した。ドライバー、特に必要不可欠なサービスに従事するドライバーは、外で長時間勤務するため、より高い感染リスクにさらされている。

 米国では3月、連邦自動車運輸安全局(FMCSA)が医療・衛生用品など救急用物資を運ぶドライバーに対する労働規制を緩和し、1日11時間の運転時間制限を解除した。この結果、ドライバーの疲労が蓄積して運転に支障をきたす恐れがある。

 アイサイトのデイビッド・トラブCEOは「現状がいつまで続くか分からない間、当面は医療用マスクの着用が現実になる可能性がある。アイサイトは、理想的でない状況下でも安全を守るため、状況に合わせて信頼性の高いソリューションを提供する」と話している。

 同社のDMS「ドライバーセンス」は、サングラス、保護眼鏡、バイザーを通してドライバーを監視できるようAIアルゴリズムが訓練されており、赤外線センサーを使ってドライバーの頭の位置、目の開き具合、瞳孔の開き方、瞬きの頻度、視線の方向などをどんな照明下でも把握できる。

 通常は口や顔の特定の動きを追跡するが、 人工知能(AI)やコンピュータービジョンを訓練してドライバーがマスクをしていても機能するようにした。

 同社は以前から、マスクを使う人が多いアジア市場向けに早くから監視機能向上の取り組みを始め、異なる状況でさまざまなマスクを着けるドライバーのデータを大量に収集していたという。

https://venturebeat.com/2020/04/14/eyesight-technologies-monitoring-systems-can-detect-masked-drivers/