Wednesday, June 15, 2016 10:38 AM
デルファイ、48V技術でパートナー探し
アイドリングストップ技術を支える自動車用48V電源システムを開発するデルファイが、電気モーターと電池をシステムに供給できるパートナー探しに乗り出している。
ワーズオートによると、デルファイで工学・製品管理を統括するメアリー・グスタンスキー氏はモーターと電池について、剛性を維持した軽量設計で、車両の多彩な場所に搭載できるフレキシブルなパッケージングが望ましいと説明する。
GMの子会社だったデルファイは数年前、経営破綻を機に車載ソフトウェアとエレクトロニクスを柱に事業を再編した。
48Vシステムは通常、エンジンのオルタネーター代わりに小型リチウムイオン電池を動力とするモーター発電機を採用。アイドリングストップ時に高出力を供給できるため、旧来の12Vシステムと比べ燃費効果に優れているのが特長だ。高出力の利点として、エンジンの作業負荷を低減するターボや冷却ファンの駆動に活用できる。
48V系のマイルドハイブリッド車には、10%から15%以上の燃費節約効果がある。価格も1000〜2000ドルと、従来のハイブリッド技術の3分の1に抑えられる。
デルファイは企業名を公表していないが、2017年末をめどに自動車メーカー2社の生産モデルにシステムを供給する。
グスタンスキー氏は、25年までに世界で1250万台に48Vシステムが採用されると予想している。
システムをめぐっては、サプライヤー大手のコンチネンタルとボッシュも市場シェアの獲得で争っている。グスタンスキー氏はモーターと電池の生産能力で2社に劣る現状を認める一方、デルファイにはソフトとエレクトロニクスに特化してきた強みがあるという。
デルファイはホンダ「シビック」の1.6リッター/4気筒ディーゼル・エンジンで48Vシステムを試験している。