Tuesday, December 15, 2020 9:13 AM

EVを公共施設の電源に〜フェルマータ、ボルダーで実験

 電気自動車(EV)を建物用の蓄電装置として利用する「V2B(Vehicle to Building)」技術を開発する新興企業フェルマータ・エナジー(Fermata Energy、バージニア州)は、コロラド州ボルダー市と提携して同社の技術をテストする。

 フェルマータのプレスリリースによると、建物から車、または車から建物という双方向の電気供給が可能なV2B充電ステーションをボルダー市内に設置し、電気的負荷を管理してエネルギーコストを削減するための新しい方法を市に提供する。

 創設者でCEOのデイビッド・スラツキー氏によると、フェルマータの技術はEV所有者が出費を節約し、収入を得て、エネルギーコストを減らすのを支援するよう開発されている。ボルダーのパイロットプログラムでは、リクリエーションセンターの電源システムとつながるV2B充電システムにボルダー市所有の電動車を1台接続し、フェルマータがリクリエーションセンターの電気的負荷を監視する。

 車の充電は夜間に行い、日中は車載バッテリーからリクリエーションセンターに電気を供給する。目標は、市のピーク時電力需要を下げて毎月の電気代を減らすことにあり、ボルダー市は2021年初めからデータの取得を開始する予定。

 市のエネルギー戦略アドバイザー、マット・レーマン氏は「このプロジェクトを通じてピーク時の需要を低下させ、出費を節約できれば、EVの新しい用途が増えて市の所有車にEVを増やすきっかけになる可能性がある。EVは、環境に優しいだけでなく、運用コストの削減やエネルギーレジリエンス(エネルギー供給網の持続力)を強化するための戦略になる可能性がある」と話している。

https://www.fermataenergy.com/news-press/vehicle-to-building-v2b-pilot-installed-by-fermata-energy-at-city-of-boulder