Tuesday, January 26, 2021 8:56 AM

投票機メーカー、名誉毀損でトランプの弁護士訴える

 投票集計機メーカーのドミニオン・ボーティング・システムズ(Dominion Voting Systems、コロラド州)は25日、2020年11月の大統領選挙で票を操作したといううそを広められ名誉を毀損されたとして、トランプ前大統領の顧問弁護士で元ニューヨーク市長のルディ・ジュリアーニ氏を相手取ってワシントンDCの連邦地裁に提訴した。13億ドルの損害賠償を求めている。

 ロイター通信によると、ドミニオンは訴状で、ジュリアーニ氏とその仲間が「大うそ」を作り上げて世間に広める運動を展開し、同社が票を盗んで選挙を操作したと数百万人に信じ込ませたと指摘。「事実を明確にするため」そして「自社と従業員、そして選挙の手続きを擁護するため」訴訟を起こしたと主張した。

 同社はまた「ジュリアーニ氏の一連の発言は、怒りをかき立てるように計算され、実際にそうなり、当社に多大な損害を与えた」と指摘。嫌がらせや殺害の脅迫から従業員を守るために警備費用56万5000ドルの支出を余儀なくされたという。

 02年創業のドミニオンは投票集計機の製造大手。20年の選挙では20以上の州で同社製機器が使われた。

 ジュリアーニ氏は声明を出し、ドミニオンの訴訟は他人を威嚇して言論の自由を行使させないことを目的に起こされたと指摘しながら「13億ドルの訴訟を起こされたことで、私は彼らの歴史、財務、慣行を全面的かつ完全に調査できる」と述べた。個人の権利侵害で逆にドミニオンを訴える可能性もあるという。

 トランプ氏とその陣営は、開票後も2カ月にわたって選挙の敗北を否定し続けた。1月6日には、トランプ氏の支持者らが連邦議会の議事堂に乱入するという事態に発展した。