Friday, February 19, 2021 8:24 AM
損害保険金、数十億ドルにも〜テキサス寒波で業界が予測
テキサス州を襲った記録的な大寒波の影響で、損害保険各社は屋根の崩壊や水道管の破裂、事業停止などによる多額の保険金請求に備えている。
ロイター通信によると、ムーディーズのアナリスト、ジャスパー・クーパー氏は保険会社の損失は数十億ドルに上る可能性があると述べた。
ハリケーンなど多くの自然災害に見舞われるテキサス州は、全米2位の損害保険市場。しかしハリケーン被害は部分的なことが多いのに対し、今回の大寒波は15日から4日間にわたって州全体に大規模停電を引き起こし、何十万世帯が影響を受けている。
同州の損害保険業界団体Insurance Council of Texasのカミーユ・ガルシア広報担当者は、数十万件単位の保険金請求を見込んでいると語った。
保険料集金額で州内最大の住宅保険会社ステイト・ファームは、凍結による水道管破裂によって今週だけで「数千件」の保険金請求があったことを明らかにした。2020年は通年でもわずか75件だったという。
寒波は18日までに州外に移動し、電力供給はある程度復旧したものの、依然として何十万もの世帯で停電が続いている。停電を追跡するウェブサイトpoweroutage.usによると、17日は停電世帯が270万に上り、18日は49万世帯に減少した。
商業施設からの被害報告も入り始めている。損害保険のマーシュによると、その多くが水道管の損傷だが、氷が解け始める今後は屋根の損傷が増えると見込まれる。
また、州全域で物資・原材料の供給が止まり、多くの事業所が営業停止を余儀なくされている。州都オースティンの弁護士、レスリー・ソーン氏は過去3日間で保険適用に関する電話相談を30件受けたという。