Wednesday, March 03, 2021 9:22 AM
寒波被害のテキサス半導体工場、生産再開には数週間必要
2月末に南部州を襲った寒波で停電、閉鎖に追い込まれたサムスン電子などテキサス州内の半導体工場は、生産再開までに数週間かかる見込みとなっている。同州の業界団体オースティン地域製造協会(ARMA)の代表が2日までに語った。半導体部品の供給を受けるメーカーへの波及効果は数カ月後に表れる可能性がある。
ロイター通信によると、寒波では少なくとも21人が死亡し、停電の影響は数百万人に及んだほか、サムスンやNXPセミコンダクターズ、インフィニオン・テクノロジーズは州内の工場を閉鎖するよう命じられた。
ARMのエドワード・ラトソンCEOによると、半導体各社が操業に必要な電力・水・ガスは回復したものの、設備の運転再開や工場の清掃に時間がかかる。また作業の進み具合は遅く「非常に費用がかかる」という。
サムスンは2日、「設備の検査と設置のし直しを進めており、通常の水準に達するにはもっと時間がかかるかもしれない」と説明した。
ラトソン氏は、工場の一時停止の影響が自動車メーカーに表れるのは5カ月後と見ている。それが車載用半導体生産に要する時間だからだ。
一方、半導体製造装置産業の調査会社VLSIリサーチのリスト・プハッカ社長は「影響はほとんどすぐに表れる。半導体の在庫水準は低く、顧客はすぐにでも必要としているからだ」「われわれは、およそ1カ月は半導体生産ができないと見ている」と述べた。
サムスンは電気自動車(EV)大手テスラなどに半導体を供給している。NXPとインフィニオンも自動車向けの半導体を作っている。
半導体の需要は、新型コロナウイルス問題の影響から回復しつつあるパソコンなどほかの製造業界からも高まっている。