Tuesday, March 09, 2021 9:20 AM
司法省、EZリンク社訴える〜車の排ガス制御無効装置販売で
司法省は8日、自動車やトラックのドライバーがボタン1つで車の排ガス制御機能を無効にできる装置(ディフィート・ディバイス)を数万個販売したとして、自動車機器メーカーのイージーリンク(EZ LynK、本社ケイマン諸島)を連邦大気浄化法違反で訴えた。ロイター通信が伝えた。
マンハッタン連邦地裁に提出された訴状によると、イージーリンクが2016年以降、フォードやGMC、クライスラーのトラックなどのドライバーに同社の後付けシステムを販売したのは大気浄化法違反に当たる。
同社のシステムには、車載コンピューターに接続して(排ガス制御機能を)削除するソフトウエアをインストールする機器と、そのソフトを保存するクラウドプラットフォーム、さらにドライバーがスマートフォンを通してソフトを購入、インストールできるアプリケーションが含まれる。
訴状はまた、イージーリンクはオンライン・フォーラムなどを通じてドライバーに同社のシステムを使うよう積極的に奨励したと指摘している。
被告にはイージーリンクのほか、共同創立者のブラッドリー・ギンツとトーマス・ウッド両氏、関連会社のプレスティージ・ワールドワイド(Prestige Worldwide)が含まれる。
司法省は同訴訟で、罰金を含む民事罰と、後付けシステムの今後の販売と設置に対する差し止め命令を求めている。
米国で15年、独フォルクスワーゲン(VW)がディーゼルエンジン車に排ガス規制を不正に逃れるソフトウェアを組み込んでいたことが発覚して以降、米当局は車の排ガス監視を強めている。この問題でVWは罰金やリコール費用など300億ドル以上を支払っている。