Wednesday, March 31, 2021 10:13 AM
トヨタVCのスタートアップ投資、製造現場を改善
ベンチャーキャピタル(VC)のトヨタAIベンチャーズ(TAIV)は、スタートアップへのサプライチェーンの効率的管理や工場へのロボティクス導入で日常の業務を改善している。TAIVのマネージング・ディレクター、ジム・アドラー氏がロイター通信に語った。
シリコンバレーを拠点とするTAIVは、2億ドルを運用している。自動運転車(AV)のソフトウェア開発会社ナウト(Nauto)、工場の作業効率と人の能力の向上を目指すビデオ分析会社ドリシュティ(Drishti)、「空飛ぶタクシー」開発のジョビー・アビエーション(Joby Aviation)など36のスタートアップに投資を行った。
トヨタやVWなどは、投資家の関心がAVに移る中で人工知能(AI)の活用を強化するため、スタートアップに資金を注ぎ込んでいる。
世界数十カ所で工場を運営するトヨタは、工場での成功事例を素早く他の工場にも応用し、作業効率を最大限に高めたいと考えている。アドラー氏はクラウドコンピューティングやクラウドロボティクスを例に挙げ、「1台のロボットが何かを学んだらほかのロボットも自動的に同じことを習得できる」と述べた。
元ロッキード・マーティンのロボット技術者で起業家でもあるアドラー氏は、ファンドとトヨタ本社は密接に連携してはいるが、投資の判断ではかなりの独立性を与えられていると話した。トヨタ経営陣にあらゆる案件を打診するには手順が多すぎるためだ。「私たちはトヨタの事業体系の末端、すなわち外の世界とトヨタ内の世界の中間に位置していることで、外からの影響を持ち込む一種の半透膜の役目を果たしている」
トヨタは2021年、成長段階の事業に投資する8億ドルのVCファンド「ウーブン・キャプタル(Wooven Capital)を設立した。