Wednesday, April 07, 2021 9:39 AM

アマゾン、労働環境に批判的な従業員を違法解雇

 オンライン通販大手アマゾンが、新型コロナウイルス感染の流行中、労働環境の改善を求めて活動した従業員2人を不法に解雇していたことが分かった。独立政府機関の全米労働関係委員会(NLRB)が不当解雇を認定した。

 ロイター通信によると、アマゾンが解雇した従業員はエミリー・カニンガムとマレン・コスタの両氏。2人は2020年10月、会社側が差別的な方法で社の方針を押し付け、あいまいな規則で従業員を「萎縮させ、制限して」権利行使から遠ざけているという申し立てをNLRBに行なっていた。

 NLRBは4月5日、両者が和解しない場合は同委員会シアトル支部長が告発状を発行すると表明した。

 今回の決定は、アマゾンがアラバマ州ベッセマーの倉庫で国内同社初の労働組合が組織されるかどうか、従業員投票の結果が注目される微妙な時期に下された。

 アマゾンは声明を出し、同社は従業員が労働環境を批判する権利を支持するが、それが合法な規則を破る従業員の責任を免除することにはならないと主張した。

 カニングハム、コスタ両氏は現在のところコメントを発表していない。今回の申し立てを支援した全米食品商業労組(UFCW)のマーク・ペローン国際会長は、声明で「今回の出来事は、発言する自社従業員に沈黙を強いるというアマゾンの法律違反を思い起こさせる日となる」と語った。

 NLRBのアマゾン不当解雇認定は、先にニューヨーク・タイムズが報じた。