Friday, May 28, 2021 11:14 AM
木材価格の高騰続く〜アパート建築業者が苦境に
木材価格が高騰を続け、一戸建て住宅の建設を遅らせているだけでなく、アパート建設を手掛ける不動産開発業者も苦境に陥れている。多くの集合住宅は鉄、ガラス、コンクリートが多用されるが、低中層の建造物では依然として木材も主要な資材だ。木材は床やキャビネット、その他の調度品に幅広く使われている。
ウォールストリート・ジャーナルによると、木材の高騰によって、グレイスター・リアルエステイト・パートナーズ(サウスカロライナ州)やトラメル・クロウ・レジデンシャル(テキサス州)のような集合住宅の開発業者も一戸建ての住宅建設業者と同じ打撃を受けている。持ち家の住民でさえ、木材の購入で地元の資材店を訪れた時にそのことを実感する。業界幹部によると、現在の木材価格は記録的な高水準であり、前年同期の3倍を超えている。
調査会社コスター・アドバイザリー・サービシズ(マサチューセッツ州)によると、フレームなどに使われる軟材(ソフトウッド)の価格は現在、前年同期比83%増となっている。木材全体でも記録的な高水準で、34%増となっている。
新築の集合住宅の材料費は過去1年で25〜30%上昇した。価格の上昇は木材だけでなく、燃料、銅、鉄鋼なども同様で、上昇率は1988年以来最大だった。
木材その他の商品価格の高騰は、最終的には新規の開発を阻害する要因になる恐れがある。コスターのアナリスト、アンドリュー・リブツィンスキー氏は「集合住宅の価格も材料と同様に大きく上昇しなければ、今後12カ月の費用上昇が建設に大きな影響を与えるだろう」と語る。