Tuesday, June 01, 2021 10:15 AM

半導体不足、数年続く可能性〜インテルCEO語る

 半導体大手インテルのパット・ゲルシンガーCEOは5月31日、自動車や消費者家電などの生産に影響を及ぼしている世界的な半導体不足について、解消までには数年かかる可能性があるとの見方を示した。同日オンラインで開幕した台北のコンピューター関連国際見本市「コンピュテックス」で述べた。

 ロイター通信によると、ゲルシンガー氏は新型コロナウイルス感染症のパンデミック(世界的大流行)で広がった在宅勤務やリモート学習の流れが「半導体の爆発的な成長サイクル」をもたらし、世界のサプライチェーン(供給網)に大きな負担になっていると指摘。「業界は短期的な制約に対処する手立てを講じているものの、業界体系がファウンドリー(半導体受託生産)の許容量や基板、部品の不足を解消するにはまだ数年かかる可能性がある」と述べた。

 ゲルシンガー氏は4月中旬、ワシントン・ポストとのインタビューで、不足が収まるには「2

年」かかるだろうと語り、米国の自動車工場での不足に対応するため6〜9カ月以内に半導体の生産を始める予定だと話していた。

 インテルは3月、高度な半導体の生産能力を拡大するため200億ドルを投じてアリゾナ州で工場を2カ所新設し、外部の顧客への受託生産にも応じる計画を発表した。ゲルシンガー氏は当時「施設の増強を米国内のほかの場所や欧州の拠点に拡大し、世界に向けた持続可能で安全な半導体サプライチェーンを確保する」と述べたが、詳細には触れなかった。

 インテルの計画は、最も進んだ半導体部品を製造できる台湾積体電路製造(TSMC)および韓国・サムスン電子の大手2社とまともに競合する可能性がある。両社は半導体受託生産事業を支配するようになり、その重心をかつて発明の中心地だった米国から、現在は先進的な半導体部品の3分の2以上が製造されているアジアに移している。