Thursday, June 17, 2021 10:10 AM
VW、EV電池材料の入手でパートナーを模索
独フォルクスワーゲン(VW)は、電気自動車(EV)用電池の原材料を直接、確実に入手できるようにするため、複数のサプライヤーと提携の協議をしている。
ロイター通信によると、VWは半導体やリチウムなど主要コンポーネントのサプライチェーンをより細かく統制して生産の渋滞を克服し、工場をフル稼働させ続けることを目指している。また、リチウムの生産者とすでに供給契約を結んでいるテスラやBMWなどの同業他社に追いつこうとしている。
技術担当のトーマス・シュマル取締役は「最も安く電池を作る競争が進行しており、そのためには生産規模の拡大が必要。当社にとって新しい事業分野の電池生産は別としても、原材料の調達と確保では垂直統合への移行を強化する必要がある。これはさまざまな形の連携を通じて実現する可能性がある」と語った。
より適切にコストを抑制するには、電池の原材料(グラファイト、コバルト、ニッケルなど)の供給を直接管理することも不可欠で「電池のコストの80%は原材料によって決まるため、もっと関わる必要がある」(シュマル氏)という。
VWの目標は、少数の大手との関係を深め、複雑さを取り除くことだという。リチウム市場は米アルベマール、中国の天斉リチウム、チリのソシエダード・キミカ・イ・ミネラなどの鉱業大手が支配している。
事情に詳しい2人の関係者によると、VWは電池材料供給大手の1つである独BASFなどと緊密な関係を模索している。
VWは、25年までにテスラを抜いてEVの世界リーダーになることを目指しており、すでに提携企業と30年までに欧州に6つの電池工場を建設する計画を発表している。これらの工場に関する詳細は数か月以内に発表する予定。
同社はまた、世界的に半導体が不足する中で半導体メーカーとの関係強化も模索している。
https://www.reuters.com/business/autos-transportation/volkswagen-seeks-partnerships-battery-materials-race-2021-06-15/