Monday, June 21, 2021 9:47 AM
フェデックス、荷物配送でニューロのAVをテスト
運輸大手フェデックス(FedEx、テネシー州)と自動運転車(AV)による無人配送サービスを開発する新興企業ニューロ(Nuro、カリフォルニア州)は、フェデックスの配送ネットワークでAVをテストする複数年契約を結んだ。テキサス州ヒューストンを皮切りに試験運用を開始する。
ロイター通信によると、両社は、ニューロの低速無人車が「最大の見返り」を提供できる荷物などの配送を対象に試験を行う予定で、これには人里離れた場所で深夜に荷物を受け取るといった非効率的なタスクが含まれる可能性が高い。
フェデックスのレベッカ・ユン副社長(先端技術およびイノベーション担当)は「こうしたパッケージの受け取りにドライバーを派遣する代わりにニューロのようなAVを使えば非常に役立つ可能性がある」と見ており、両社の提携について「ドライバーではなく問題の軽減を目的とする非常に真剣で長期的な取り組み」と説明している。
ニューロの車両は、すでにヒューストンのスーパーマーケット大手クローガーとドミノ・ピザによる配達に使われている。同社の自動運転車両「R2」は運転席がなく貨物用のスペースしかない。同社はアリゾナで技術テストを続けており、2020年は5億ドルの資金を調達した。
配送業界は、新型コロナウイルスのパンデミックをきっかけに急増したeコマース商品のラストマイル配送のコスト削減を目指している。フェデックスはテキサス州プレイノーでも別のプロジェクトを進めており、オンディマンドの同日配達にDEKAリサーチ&ディベロップメントの小型ロボット「Roxo(ロクソ)」を使っている。
同業のユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)は、ドローンを中心に無人配送の取り組みを進めているが、同時に英国の新興EVメーカー、アライバル(Arrival)に電動配送バンを発注している。これらの車両にはセンサーとカメラが搭載され、徐々に自律機能を拡大できる見通しだが、人間のドライバーは引き続き必要になる。
自動運転タクシーで人を送迎することは、荷物や食べ物を配達するよりも難しく費用もかかるため、運輸・物流企業は高速道路など予測可能で単純な経路で自動運転テクノロジーを展開する方法を模索している。