Thursday, July 29, 2021 10:22 AM
シカゴで貨物の流れが停滞〜経済再開も人手や設備足りず
経済の再開で店舗やレストランの利用が増え、小売業者や製造業者は在庫の補充を急いでいるが、国内のサプライチェーン(供給網)ではシカゴで新たなボトルネック(局所渋滞)が発生しており、アジアから来た大量の貨物の流れが滞っている。
■供給網に深刻な遅延
ウォールストリート・ジャーナルによると、国際的なサプライチェーンでは2021年、コンテナ不足、キャパシティーのひっ迫、3月にスエズ運河で起きたコンテナ船座礁、中国深センの塩田港での新型コロナウイルス感染問題などによって、配達の遅延が続いている。
南カリフォルニアのロサンゼルスおよびロングビーチ港に入ってくるコンテナ輸入量は、記録的なペースで急増しているが、遅延は港から近くの倉庫、さらに内陸部、そして物流の要衝であるシカゴまで、ロジスティクス市場全体に波及している。
シカゴの貨物ターミナルでは、積み替え作業が間に合わずコンテナの山が増えるばかりで、海運、トラック、鉄道業界全体の労働力や機材不足によって状況は悪化している。鉄道大手ユニオン・パシフィックやBNSFは、混雑し過ぎたシカゴ地域の貨物集配拠点へのコンテナ輸送を制限し、一部の貨物所有者や物流企業は中西部のほかの集配拠点にトラックまたは鉄道輸送を迂回させようとしているが、コストがかさみ、すでに緊迫した流通網に新たな問題をもたらしている。