Thursday, September 02, 2021 9:24 AM

米自動車業界、ワクチン接種義務化巡り労使が緊張

 米国民の大半は、企業が新型コロナウイルス対策として社員にワクチン接種を義務付けることを支持しているが、全米自動車労働組合(UAW)は義務化に反対しており、デトロイトの米自動車メーカーは慎重な判断を迫られている。

■UAWは任意での実施に固執

 ロイター通信によると、GMはビッグ3では初めて米国の社員にワクチン接種を受けたかどうか報告するよう義務付けた。GMは「この情報は、疾病対策センター(CDC)や労働安全衛生局(OSHA)の勧告に従い、マスク着用やソーシャルディスタンス、施設内の人員配置率など新型コロナの安全対策を緩和すべきか強化すべきか判断する時に役立つ」と説明している。

 一方、UAWのレイ・カリー代表は、労働者へのワクチン接種の奨励や接種状況の調査などは任意の場合だけ支持すると表明。「任意の取り組みについての話し合いなら応じる」と述べた。UAWは、GM、フォード、ステランティスの労働者などを代表しており、組合員は約40万人。GMは、国内に約4万8000人の月給制社員を擁し、うち約4万6000人が組合に加盟している。

 カリー氏は、GMが労働者に適用する前にUAWと協議すべきで、接種状況に関する情報データの収集は医療に関するプライバシー侵害の懸念を生むと語った。