Monday, November 15, 2021 8:27 AM

北米企業の1-9月ロボット発注数、過去最高

 北米企業が2021年に生産ラインに追加したロボットの数が、記録的な水準に達している。自動化推進協会(A3)はこのほど発表した北米の工場その他の産業ユーザーによる21年1〜9月のロボット発注数は前年同期比37%増の2万9000台となり、受注高は14億8000万ドルに上った。新型コロナウイルス禍で経済が混乱する前の17年同期以来、16四半期ぶりに過去最高を更新した。

 ロイター通信によると、急激なロボット追加の動きは、強い需要に追い付こうとするメーカーによる大型投資戦略の一部と考えられる。最近は小売店が品不足となる例も見られるが、多くの企業はコロナの感染拡大によって職場を離れた労働者の呼び戻しに苦労しており、人を増やす代わりロボットを生産ラインに導入している。

 また、ロボットの活躍の場も広がっている。長年、産業用ロボットの購入者はほとんどが自動車会社だったが、20年には非自動車業界向けの売上高が初めて自動車業界向けを上回った。その傾向は今年も続いており、21年1〜9月は自動車関連の発注数が前期比20%増の1万2544台だったのに対し、非自動車関連の発注は53%増の1万6355台だった。

 A3のジェフ・バーンスタイン会長は「自動車関連は減速しているわけではなく、むしろ増加しているが、金属から食品メーカーに至るほかのセクターがより急激に成長している」と述べた。

 メーカー向け金属加工のアセナ・マニュファクチャリング(テキサス州オースティン)の場合、21年に購入した4台を含め7台のロボットを使っている。最初に導入したのは16年で、半導体製造機メーカーが使う部品の受注が50%増えるなど需要の急激な伸びに対応するのに役立っているという。

 また、ロボットがあったことで20年には工場を24時間操業に移行することもできた。同社は現在250人を雇用しているが、夜勤を望む人が少ないため、ロボットがなければ労働力の確保に苦労しただろうと、アセナのジョン・ニューマン社長は話した。