Thursday, November 18, 2021 8:58 AM

オンセミ、EV用半導体強化で業績好調

 半導体大手オンセミ(Onsemi、アリゾナ州)は、最も収益性の高い製品に事業の焦点を移したことが奏功し、同社の2021年第4四半期(11月〜22年1月)に予想を上回る収益を見込んでいる。

 ロイター通信によると、20年末に就任したハッサーン・エルコーリーCEOは、電気自動車(EV)のパワーエレクトロニクスや運転支援技術用センサーといった分野を強化するよう戦略を調整した。オンセミは一部の半導体製品を新素材シリコンカーバイド(SiC)で製造しており、SiC半導体はEVの航続距離延長のカギと言われている。

 オンセミは最近、SiCおよびSiC半導体のウエハーを製造するGTアドバンスト・テクノロジーズ(GTAT、ニューハンプシャー州)を4億1500万ドルで買収する契約を完了した。この動きは、複数の半導体メーカーにSiCを供給しているウルフスピード(Wolfspeed、ノースカロライナ州)への依存を軽減するだけでなく、オンセミが自社の半導体を自動車メーカーに直接販売するのにも役立つ。エルコーリーCEOは「22年末までに当社のSiC売り上げの大部分はGTATから生まれることになる」と話している。

 半導体の約70%を自社で製造する同社は、生産力の拡大に取り組んでいるが、少なくとも23年までは自動車メーカーからの需要に完全には対応できない見通しで「22年は顧客の要望を100%満たせない。まだ供給のひっ迫が続くだろう」(エルコーリー氏)と見ている。

 リフィニティブのデータによると、同社は10月1日締め第3四半期に予想を上回る17億4000万ドルの売上高を計上。第4四半期の売上高は17億9000万ドルと予想している。