Wednesday, November 24, 2021 9:19 AM
IAV、車内の香り測定システムを開発
ドイツのエンジニアリング大手IAVは、車内の香りをより正確に測定する装置と、装置を量産する方法を開発した。
IAVの香り測定システムは、技術開発と開発前の要件の両方を満たすように設計されており、特に統計的検定計画(実験計画法)を使用して、品質を損なうことなく必要な測定の数を大幅に減らしている。測定装置はIAVの社内プロジェクトとして製作され、2021年4月から自動車メーカーなどが自社プロジェクトで利用できるようになっている。
特に高級車メーカーは、芳香剤を使って車室に爽快な雰囲気を醸し出すことで車の価値を高めており、IAVは必要な香り付けシステムの開発でメーカーを支援してきた。しかし、伝統的に芳香剤の使用と投与に使われるのはエンジニアの臭覚であり、中立的な測定値を伴わない主観的な作業であるため、IAVは香り付けシステムを使う時の新しい測定方法を開発した。
IAVが「においかぎ研究室(sniffle laboratory)」と呼ぶ移動式装置は、各座席のアウトレット(香りの出口)から出る空気を吸い込み、その空気からppm測定精度の高いセンサーが芳香分子の濃度と割合を検出。測定値をコンピューターに送信する仕組み。
同社のトーマス・アインジンガー熱管理部門責任者は「車のUSP(独自の売り提案)は、走行技術の質や性能だけでなくさまざまなレベルの快適性と体験に向けられるようになっており、当社はこの変化に意味ある貢献をしたい」と話している。