Wednesday, December 01, 2021 9:12 AM

アップルの電池開発幹部、VWに移籍

 IT大手アップルで国際電池開発責任者を務めていたアーン・スーンホ氏が、11月に独フォルクスワーゲン(VW)に移籍したことが分かった。

 ビジネス向けインターネット交流サイト(SNS)リンクトインに掲載されている経歴によると、アーン氏はVWグループ・コンポーネンツの電池部門の最高技術責任者(CTO)に就任した。

 ロイター通信によると、アップルの幹部が自動車メーカーに移るのはこの数カ月で2人目。9月には自動車事業の責任者だったダグ・フィールド氏がフォードに移籍した。

 サムスンSDIの次世代電池部門の幹部だったアーン氏は18年、アップルに引き抜かれた。アップルは携帯電話やノート型パソコンだけでなく、開発中の電気自動車(EV)にも電池を使っており、業界筋は20年、ロイターに対し、アップルが24年までに高度な電池技術を搭載したEVの発売を目指していると語った。

 ティム・クックCEOは21年10月、半導体と同様に電池とスクリーンも自社開発する計画があるかどうか電話会見で尋ねられた時に「どんな可能性も除外したくない」「自社でやる方が明らかに良いと判断できるかどうかが重要」と答えていた。

 アップルは中国のCATLやBYDとEV用電池の供給をめぐる協議を進めたものの、両社ともアップル専用工場を米国に建設することを拒否し、交渉はほぼ行き詰まっているといわれている。

 一方のVWは、20年代末までに提携企業と欧州に6つの電池工場を建設するという野心的な計画を打ち出している。