Thursday, December 02, 2021 8:20 AM

ダイムラー、電気モーターを自社生産へ

 ダイムラーは、ディーゼルエンジンを生産してきた120年の歴史を持つベルリンのマリエンフェルデ工場で、同社初の電気モーター生産を行うと発表した。大規模な人員削減を心配していた労働者はほっとしている。

 ロイター通信によると、ダイムラーは2020年9月、同工場で行っている6気筒ディーゼルエンジンの生産を1年以内に終了すると発表。労働者にはソフトウェアやコーディングの再訓練を提供すると説明していた。

 マリエンフェルデ工場では、労働者2300人余りのうち約450人が160時間のソフトウェア開発パイロット・トレーニング・コースへの参加を申請し、約15人が最初のトレーニングに参加することが決まっている。

 マリエンフェルデ工場への投資額は、以前の数千万ユーロから今後6年間で数億ユーロに拡大される予定だ。

 ダイムラーは21年、英国の電気モーター技術会社ヤサ(YASA)を買収した。ヤサ創設者のティム・ウールマー氏によると、同社が開発したアクシャルフラックス・モーターはディーゼルエンジンよりはるかに軽く、EVの航続距離を最大7%延長できる。ダイムラーはEVライン全体にこれらのモーターを使うことでコストを削減できると考えている。

 電気モーターはディーゼルエンジンよりも製造工程が簡単なため、最終的には工場に必要な労働者は減ることになる。しかしダイムラーがシーメンスと開発し、22年に始動するデジタルトレーニングキャンパスも新しい雇用の創出に貢献する見通しで、ドイツの金属労働者組合IGメタル・ベルリンのヤン・オットー代表は「あと数年ここで努力すれば、前よりも多くの雇用が生まれる可能性がある」と話している。マリエンフェルデの工場の従業員は、現行の労働協約によって30年初めまで雇用が保証されている。