Friday, December 03, 2021 4:48 PM
SF市、クルーズのロボタクシー課金申請に異議
サンフランシスコ市交通局(SFMTA)は、ゼネラル・モーターズ(GM)の自動運転車部門クルーズが11月に州公益事業委員会(CPUC)に提出した自動運転車(AV)による移動サービスに対する課金許可申請に異議を唱えた。理由として、クルーズのプロモーションビデオで乗客が車道わきの縁石部分ではなく中央で不法に車に乗り降りしていることなどを挙げている。
ロイター通信によると、SFMTAは24ページの書簡で、クルーズの動画は周辺の人々を危険にさらし、バスに減速を強いるような違法行為を許しているように見えると指摘。クルーズの自動運転システムが合法的な路上駐車、縦列駐車、駐車場での停車を認識できると証明できない限り、同社の申請を却下するよう、CPUCに要請している。
書簡は「ビデオでは客が乗り降りする場面が全部で14回出てくるが、いずれも停車場所は車両法規と交通法規の要件に準拠していない」と指摘したほか、クルーズの申請は、市内の低所得地域の大半を無視し、ヒスパニック人口の19%および黒人人口の24%にしかサービスを提供せず、車いすにも対応できていないと批判している。さらに、クルーズはライトレール(軽便鉄道)のある道は避けると述べているが、計画されたサービスエリア内に電車のルートがあることも認識していないと指摘した。
クルーズが客に乗車料金を請求できるかどうかの最終決定権はCPUCが持っており、同社は来週、CPUCあての書簡でこれらの懸念に対応すると話している。
クルーズやアルファベット傘下ウェイモなどの企業は、サンフランシスコをロボタクシー(自動運転タクシー)サービスの優れた試験場と見ており、連邦政府のAV関連規則の作成が遅れているため、州が規制に介入している。こうした背景から、サンフランシスコなどの地方自治体はテスラの運転支援システム「オートパイロット」を含むこれらの新技術に対する発言力を強めている。