Tuesday, February 15, 2022 6:16 AM
歩行者事故回避システム、夜間は効果が低下
米国道路安全保険協会(IIHS)は1月、車の購入を検討する人や購入した人が車載システムの機能をよりよく理解できるよう、レベル2の先進運転支援システム(ADAS)の評価を開始すると発表した。現在、車に搭載されたさまざまな安全機能のテストを行なっている。
フューチャーカーによると、直近のテストは歩行者検出機能を備えた自動緊急ブレーキシステム(AEB)が対象。この機能は事故があった場合の歩行者の重症度を27%減らすのに役立ち、傷害事故発生率も30%低くなることが分かったが、日没後は状況が変わることも判明した。
IIHSのジェシカ・チチーノ副社長(調査担当)は「幅広いメーカーを対象とする初めての実社会での歩行者AEBの調査によって、この技術が衝突を回避することが証明されたが、残念ながら、致命的な歩行者事故の4分の3を占める夜間には効果が大幅に下がることも分かった」と話す。
テストでは、シボレー「トレイルブレイザー」、ホンダ「CR-V」、フォード「ブロンコスポート」、スバル「フォレスター」、現代「ベニュー」、トヨタ「C-HR」、ボルボ「XC40」、フォルクスワーゲン「タオス」の8台のSUVが使われた。
AEBの性能が最も高かったのはブロンコスポートとC-HRで、両モデルとも歩行者の検出にカメラとレーダーが使われている。しかしこれらのシステムがあれば暗い場所で素晴らしい効果があるとは限らず、CR-V、ベニュー、XC40もカメラとレーダーのシステムを搭載しているが、テスト結果は良くなかった。良いヘッドライトならスコアが良くなる訳ではないことも分かった。
歩行者を巻き込む事故はかなり高い比率(IIHSは約75%と推定)で夜間に発生しているため、IIHSは夜間テストを開発する時期が来たと判断した。初めての夜間テストによる歩行者事故防止機能の評価は、2022年後半に発表される予定。