Monday, March 14, 2022 9:15 AM
「完全AVにハンドルは不要」〜運輸当局が最終決定
運輸省道路交通安全局(NHTSA)は13日までに、完全自動運転車(AV)は衝突に備えた安全基準を満たす上で人が動かす運転制御装置を装備する必要性はない、との最終判断を下した。
ロイター通信によると、現行の安全基準は人が車を操縦することを想定して作成されているため、自動車メーカーやテクノロジー企業はハンドルやブレーキペダルといった人が動かす制御システムのない自動運転システム(ADS)搭載車の展開が難しくなっている。
ゼネラル・モーターズ(GM)とその自動運転技術部門クルーズは2月、人が動かす制御装置なしでAVを製造、販売する許可を求めていた。これに対しNHTSAは10日、「ADSのみで操作するように設計された車両の場合、人が操作する運転制御装置は論理的に不要」という判断を示した。
AVを考慮した新しい安全規則では、AVも人間が運転する車と同水準の乗員保護機能を提供する必要があると強調。NHTSAのスティーブン・クリフ副管理官は「ADS搭載車でドライバーが人から機械に変わっても、人間を安全に保つことは同じように必要で、最初からその機能を組み込む必要がある」と説明している。
また、伝統的に運転席として知られる場所は衝突時に子供を保護するように設計されていないため子供は座るべきではないと指摘しているが、子供が座った場合すぐに車の動きを止めることは義務付けていない。
NHTSAによると、現行の規制は人の操縦で運転できる限りAVの導入を禁止していない。それでも同局はほかの安全基準の変更も検討しているため、メーカーがADS搭載車を販売するには依然としてNHTSAに許可を申請しなければならない可能性がある。