Wednesday, October 12, 2022 6:54 AM
持続可能な航空燃料の生産効率化〜ハネウェルが新技術開発
技術大手のハネウェル・インターナショナル(Honeywell International)は10日、持続可能な航空燃料(SAF)の生産効率を高める技術を市場展開すると発表した。エタノールから作る二酸化炭素(CO2)排出量が少ない航空燃料の生産効率を改善し、コストを削減できるという。
ロイター通信によると、航空業界は、燃料に代わるエネルギー源がほとんどなく脱炭素化が最も難しい分野の一つで、石油精製業者はSAFの生産量を増やすことで炭素排出を減らそうと努力してきた。
ハネウェルUOPの再生燃料事業を率いるケビン・オニール氏は「SAFの需要が高まる中、当社はジェット燃料やディーゼル燃料の代わりになり、人々が大規模に導入し生産もできる大量のSAFを経済的に生産するさまざまな方法を探してきた」と述べた。
同社によると、使用するエタノールの種類にもよるが、ハネウェルの技術は石油由来のジェット燃料と比べるとライフサイクル全体で温室効果ガス排出量を80%削減できる。米国ではエタノールは主にトウモロコシから作られている。
ハネウェルの技術を使うSAF生産工場は、規格部材を別の場所で準備できるため設備導入コストを低く抑えられ、労働力も比較的少なくて済む。この手法によって精製業者は従来の方法よりも1年早くSAF生産設備を整えられる。
また、ハネウェルの技術を使うことで、石油精製業者やその他の燃料生産業者は稼働中または休業中の工場をSAF生産施設に転換させることも可能だという。
バイデン政権は2021年9月、SAFを30年までに少なくとも年に30億ガロン生産し、50年までに航空燃料需要(現在の試算では年約350億ガロン)のすべてをSAFで満たせるようにする方針を表明した。22年8月に成立した「インフレ抑制法(IRA)」にも低炭素燃料の導入を促進する気候変動対策の法律が含まれており、SAF需要を高める可能性が高い。