Monday, November 28, 2022 5:58 AM
VWの新CEO、AV開発計画を見直し
VWグループの新CEO、オリバー・ブルーメ氏は、前任者が進めた自動運転車(AV)に関する野心的な計画を見直している。
ウォールストリート・ジャーナルによると、ブルーメ氏とVWブランドのトーマス・シェーファーCEOは従業員あてメッセージで「全てのプロジェクトと投資を見直し、実行可能かどうかを判断している 」と伝えた。関係者の話では、AV「トリニティー」の開発プロジェクトは延期の可能性が高く、独ウォルフスブルグの本社近くに同AVの工場を新設する計画も中止される可能性がある。
9月に就任したブルーメCEOがVWの最も野心的かつ冒険的な試みを検討し直し、短期的に新しいモデル向けの重要なソフトウェアや技術の実装に力を集中することを示している。
前CEOヘルベルト・ディース氏の時代、VWは傘下ブランド向けに車載ソフトウェアの自社開発を始めたが、ソフトウェア開発の「カリアド(Cariad)」は業務の進行状況が芳しくない。VWのAV開発の事情を知る人物の1人は「26年時点でテスラと同水準の車を走らせるためのノウハウがない」と話した。
ポルシェのCEOでもあるブルーメ氏は、ディース氏の下でトップダウンの決定に頼る傾向が強まったVW部門の独立性も重視している。同氏はポルシェ上場の経験から、傘下の各ブランドに対し、収益性と株式市場に対する透明性への意識を高める練習として「バーチャルIPO」、すなわち上場の準備をするつもりで事業運営に取り組むよう指示している。
ブルーメ氏は、実際には新規上場の予定はないと語っているが、アナリストは予行演習について「成功する保証のない費用のかかる長期的事業への投資よりも、短期的な収益性向上を重視する氏の姿勢の表れ」と見ている。