Wednesday, December 14, 2022 6:02 AM
半導体製造装置の蘭ASML、米の対中輸出規制を疑問視
オランダの半導体製造装置大手ASML (エーエスエムエル)のピーター・ウェニンクCEOは13日、半導体関連の中国への輸出を制限する新規制をオランダに導入させようとする米国の動きについて、理屈に合うかどうか疑わしいとの考えを示した。NRCハンデルスブラット紙に語った。
ロイター通信によると、ウェニンク氏は「米国はわれわれが交渉に応じるべきと考えているようだが、ASMLとしては既に犠牲を払っている」と述べた。
米国の圧力を受け、オランダ政府は2019年以降、ASMLの最先端のリソグラフィー装置の中国への輸出を既に制限しており、代替技術を販売する米企業に利益をもたらしていると同氏は指摘した。同社の売上高の15%が対中販売だが、米国の半導体機器サプライヤーは中国で「25%、時には30%以上」を売り上げているという。
ASMLの広報担当者はCEOの発言は正確だと述べたが、詳細に関する回答は控えた。
バイデン政権は10月、中国に高度な半導体チップ製造能力を与えないよう、米企業に対して新しい輸出規制を発動した。中国の軍事的および技術的進歩を遅らせるのが目的。
米政府は同時に、オランダ、日本など最先端の機器を製造する企業がある国々にも同様の規制導入を求めている。オランダの貿易大臣は、交渉が進行中であることを認めた。
ウェニンクCEOは、米国のメーカーが最先端の半導体を中国に販売できるのに対し、ASMLは旧式の半導体製造装置しか販売できないというのは矛盾しているように思うと語った。さらに「純粋な軍事用途の半導体技術は、通常10年から15年前のものであることは常識だ。しかしそういう半導体を作るための技術は今も中国に販売されている」と付け加えた。