Thursday, January 05, 2023 6:10 AM
鴻海、電子制御ユニットにエヌビディアのSoC搭載
画像処理半導体(GPU)大手エヌビディア(Nvidia)とアップル製品の受託製造で知られる台湾の電子部品大手・鴻海(ホンハイ)精密工業は、電気自動車(EV)関連の提携を発表した。
ウォールストリート・ジャーナルによると、鴻海はエヌビディアの自動運転向け車載半導体「ドライブ・オーリン」システム・オン・チップ(SOC)を搭載した電子制御ユニットを作る。鴻海が製造するEVは、エヌビディアの電子制御ユニットとセンサーを使って高度な自動運転が可能になる。
両社はこの提携で、市場での存在感を高めつつ、EV需要拡大への対応で業界を支援できるようになる。米自動車業界ではここ数年、EVへの移行などを受けて史上最大の工場建設ブームが進行しており、コンサルティングのアリックスパートナーズによると、世界の自動車産業は2026年までにEVに総額5260億ドルを費やすと見込まれる。
台北に本社を置く鴻海は、今回の合意によってEVの製造能力向上とコスト削減を目指す。カリフォルニア州サンタクララ拠点のエヌビディアは、部品の生産拡大を目指す。
鴻海は半年前、台湾で最初のEV用電池工場の建設を開始。このほかのEV分野における動きとしては、11月にサウジアラビアの政府系ファンドとEV製造の合弁会社を設立し、中東の同国が石油から経済を多様化できるよう支援している。また、オハイオ州の旧ゼネラル・モーターズ(GM)工場で完全電動ピックアップ・トラックを製造している新興EV企業ローズタウン・モーターズへの1億7000万ドルの投資も発表した。鴻海とローズタウンは最初のEVを共同で開発する計画。
エヌビディアは従来、車載インフォテインメント・システムを動かすためのハードウェアを提供してきたが、現在は高度な運転支援システムを支えるソフトウェアとチップに軸足を移しており、メルセデス・ベンツ・グループは最近、EVの生産にエヌビディアのプラットフォームを採用している。