Monday, January 09, 2023 5:53 AM
MS、自動運転トラックのガティックに出資へ
マイクロソフト(MS)は、自動運転トラック開発の新興企業ガティック(Gatik、カリフォルニア州)とのクラウド技術関連の提携の一部として、同社に出資する方向で協議を進めている。
ロイター通信が消息筋2人の話として伝えたところによると、マイクロソフトは、近く実施される資金調達ラウンドでガティックに1000万ドル以上を投資する計画で、これでガティックの評価額は7億ドル以上になる見通しだという。条件の一つとして、ガティックはトラック向け自動運転技術の開発で、マイクロソフトのクラウドとエッジコンピューティングのプラットフォーム「アジュール」を使うことになる。
マイクロソフトはほかの技術大手と同様、自動運転技術の開発に資金を投入している。2021年1月には、ゼネラル・モーターズ(GM)の自動運転車(AV)開発子会社クルーズ(Cruise)に出資。クルーズは「アジュール」を利用して商用AVソリューションを強化する計画で、アルファベットのAV開発部門ウェイモ(Waymo)やアマゾン傘下のズークス(Zoox)と競合する。
自動運転技術は、輸送・物流業界に革命をもたらす技術と見込まれているが、安全規制上の懸念や、市場が低迷して資金調達がしにくい状況などから逆風に直面しており、11月にはフォードとフォルクスワーゲン(VW)が共同運営していた自動運転技術開発事業アルゴAI(Argo AI)を閉鎖した。
ガティックは、ゴータム・ナラン氏とアルジュン・ナラン氏が17年に設立した企業で、小売り業界向けのミドルマイル(物流拠点や営業所、倉庫などをつなぐ中間物流)や企業間物流の自動化を目指している。21年から小売大手ウォルマート、食品流通会社ロブロー(Loblaw)向けに完全ドライバーレス商業配送サービスを開始し、アーカンソー州とカナダのオンタリオ州で自動運転トラックによる短距離配送を提供している。