Thursday, January 12, 2023 6:33 AM
クアンタムスケープ、固体電池のサンプル出荷開始
フォルクスワーゲン(VW)グループが支援する電気自動車(EV)用電池開発の新興企業クアンタムスケープ(QuantumScape、カリフォルニア州)は、自動車メーカーに向けて24層リチウム金属固体電池の試作品の出荷を始めた。各社に評価と性能試験を行ってもらう。
同社のプレスリリースによると、これらの電池は「A0」サンプルと呼ばれ、今回の納入で特許技術の商業化に一歩近づいたことになる。24層の全固体電池は、各層が固体セパレーター(絶縁膜)、正極材、in-situハイブリッド形成のリチウム金属負極材で構成されている。
試作品は数アンペア時の容量があり、自動車や家電製品などさまざまな用途に適していると考えられる。共同創業者でCEOのジャグディープ・シン氏は「当社のチームのマイルストーン達成によって最終目標に近づくことができたが、技術が商業製品になるまでにはまだやるべきことがたくさんあり、今はその作業に目を向けている」と述べた。
クアンタムスケープによると、自動車メーカーは各社の施設で試作品を使った試験プロセスを開始し、その性能についてフィードバックを提供できる。同社は今後数年かけて、A、B、Cの各サンプル世代でさらなる改善を目指す。「A0」セルはクアンタムスケープの新しいセルフォーマットを用いており、セル構造はプリズム型とパウチ型のハイブリッドで、充電・放電時にリチウム金属の一軸延伸をサポートするように設計されている。
https://ir.quantumscape.com/resources/press-releases/news-details/2022/QuantumScape-Ships-First-24-Layer-Prototype-Battery-Cells-to-Automotive-OEMs/default.aspx