Friday, January 20, 2023 6:05 AM
2階建て住宅を立体印刷〜テキサスで建設進む
テキサス州ヒューストンで、米国初の3D(立体)プリンターを使った2階建て住宅の建設が進められている。
ロイター通信によると、現場では重量が12トン以上ある巨大なプリンターが、床面積4000平方フィートの住宅を建てるため、音を立ててコンクリートの層を重ねている。完成までには延べ330時間の印刷が必要になるという。
設計事務所ハンナ(Hannah)の共同設立者で、この住宅の設計者でもある建築家のレズリー・ロック氏は「3Dプリントの建物はすでに多くの州で見られるが、2階建てをプリントするにはそのための機械が必要になる。もちろん2階建てには構造や物流など、ほかの課題もある」と話す。
建設するのは木材の構造をコンクリートで補強した3ベッドルーム住宅で、すでに半分ほど進んでおり、完成後は発注した家族に引き渡される予定。このプロジェクトは、ハンナ、ペリ3Dコンストラクション(Peri 3D Construction)、建設会社サイブ(Cive)の3社による2年間の共同作業。サイブのヒクマット・ザーブ構造工学部長は、この革新的な技術が、いつかより迅速でより安く多世帯住宅の建設に役立つことを期待している。
コンクリートは、気候変動の影響で頻発し深刻化するテキサス州のハリケーンや暴風などにも耐えられる上、力仕事はすべてプリンターで行うため、現場作業員も少なくて済む。サーブ氏は「従来の建築なら仕事の進め方や材料の特性、挙動も分かっているが、ここではすべてが新しい。コンクリートは一般的に古い材料だが、3D印刷用のコンクリートは新しい」と述べた。