Thursday, January 26, 2023 5:43 AM

インフィナイタム、次世代型モーターを発表

 テキサス州拠点のインフィナイタム・エレクトリック(Infinitum Electric)は、乗用および商用電気自動車(EV)に推進力を供給する次世代型の軸方向磁束(アクシャル・フラックス)モーター「エアコア・モビリティー(Aircore Mobility)」を発表した。航空、船舶、建設機械、農業機械などにも使えるといい、2023年4〜6月期中の市場導入を予定している。

 エレクトライブによると、エアコア・モビリティーは従来型の銅線を巻いた重い鉄製のステーター(固定子)が軽量のプリント基盤(PCB)ステーターに置き換えられており、ステーターを形成する電磁コイルが円盤状のローター(回転子)と平行に取り付けられている。同社によると従来のモーターよりも10倍の信頼性、10%の効率向上、50%の小型化および軽量化、そして銅使用量の66%削減を実現した。

 インフィナイタムは、PCBステーターを活用することでエアコア・モビリティーの電流密度(単位時間・単位面積当たりの電荷流量)を従来型の液体冷却モーターの最大4〜5倍に高めた。クーラント(冷却液)がステーターに直接触れるため、より広い表面積で熱を吸収でき、長寿命につながるという。

 インフィナイタムは2020年、モーターシステムの「IEs」シリーズを発売した。22年5月にはシリーズDの資金調達ラウンドで8000万ドルを調達した。当時、同社は重工業、製造、空調システム、交通分野の数社から計9億ドル超の潜在的な受注があると発表していた。

 エアコア・モビリティーは、循環型のライフサイクルで設計、製造されており、使用する原材料が比較的少ない。モジュラー設計によって、ハウジング、ローター、ステーターは複数回再利用できるように作られている。