Monday, February 13, 2023 5:25 AM

フォードが売却検討の独工場、マグナとネッドカーも興味

 フォードが比亜迪(BYD)と売却を協議しているドイツ南西部のザールルイ工場について、カナダのマグナ・インターナショナルとオランダの受託製造業者VDLネッドカーもそれぞれ買収に興味を示していることが分かった。オートモーティブ・ニュースが関係筋の話として伝えた。

 フォードは22年6月、欧州向け次世代EVの生産拠点として、ザールルイではなくスペインのバレンシア工場を選定した。ザールルイは25年にコンパクトカー「フォーカス」の生産を終了した後は生産するモデルがなく、将来が不透明になっている。

 マグナは、オーストリアのグラーツにあるマグナ・シュタイヤー工場でBMW、メルセデス・ベンツ、ジャガー、トヨタ、フィスカーの車を受託製造しており、VDLネッドカーはBMWグループ向けにコンパクトSUV「X1」やミニ・ブランド車を製造している。

 マグナやネッドカーの場合、同工場を大規模な改修なしで内燃エンジン車の製造に利用できる。BYDが工場を引き継いだ場合、EVを生産できるよう大規模な改修が必要になるため、関係筋は、受託製造業者に売却した方が将来的に有望な解決策になる可能性があるとみている。

 ザールルイの従業員(4500人)は、誰であろうが新しい投資家を歓迎する意向で、同工場労働評議会のマルクス・タール代表は「自動車メーカーが来てくれるなら、どの大陸から来るかは二の次」と話している。

 ウォールストリート・ジャーナルは、フォード関係者が近く中国に赴き、ザールルイ工場の売却を協議する予定と報じていた。