Tuesday, February 14, 2023 5:56 AM

ウォルマート、技術拠点3カ所閉鎖〜在宅勤務も見直しへ

 小売大手ウォルマートが、米国内の技術拠点3カ所を閉鎖し、雇用を維持するため数百人に異動を命じることが分かった。また、同社は技術スタッフ全員に対し、最低でも週に2日はオフィスに出勤するよう要請する。

 社員向けメモを入手したウォールストリート・ジャーナルによると、メモの発信者はグローバル最高技術責任者のスレッシュ・カマー氏。ウォルマートはテキサス州オースティン、カリフォルニア州カールズバッド、オレゴン州ポートランドの技術拠点を閉鎖する。

 同社は、技術スタッフがカリフォルニア州ブルーノ、アーカンソー州ベントンビルの本社など他の主要拠点に転勤する際の費用を負担する。広報担当者によると、閉鎖の影響を受ける労働者の多くが転勤を望んでいるが、一部のスタッフには完全な在宅勤務が許可される。辞職を選ぶ人には退職金が支払われる。

 また、同社の世界中の技術系スタッフは週に最低2日はオフィスに出勤しなければならなくなる。ベントンビル本社のスタッフの大部分は、2022年から週5日の出勤を義務付けられている。

 ウォルマートの今回の動きは、新型コロナウイルス禍を背景に在宅勤務を導入した技術系企業でさえ、今後はオフィス勤務、また本社機能を重視することを示している。「コール・オブ・デューティー」などのビデオゲームで知られるアクティビジョン・ブリザードは先日、就業規則を変更し、4月からは週に3日は出勤するよう従業員に通達した。

 カマー氏は22年、ジョージア州アトランタとカナダのトロントに新しい技術拠点を開設し、世界で約2万人に上る技術チームに数千人を追加採用すると発表した。同社ウェブサイトによると、同社の技術拠点は閉鎖する3拠点を含めて国内に11カ所、国外に6カ所ある。

 ウォルマートの米従業員は170万人で、その大部分は店舗や倉庫で働く時給労働者。国外の従業員数は60万人。同社は最近、時給制労働者が不足気味な状況を受けて国内の店舗従業員の最低時給を引き上げると発表したばかりだ。